Bonjour!
Yoshino Tradのアントニーです。
第5回目の本日はゲストとして翻訳者の羽無エラーさんをお迎えしました!
羽無エラーさんとは、ゲーマーとして、またトランスレーターして共感できる部分がたくさんあり、今回このブログに記事を書いてくださるということで僕自身ワクワクしています!ぜひご一読いただき、たくさんのコメントをよろしくお願いします!Voilà!
こんにちは!
テレビゲーム翻訳者/字幕翻訳者の羽無エラー(はねなしえらー)と申します。もちろんペンネームです。
こちらのブログのゲストとしてオファーをいただき、定期的に記事を寄稿させていただくことになりました。ブログをご覧の皆さま、Yoshino Tradのファンの皆さま、どうぞよろしくお願いいたします。
では早速ですが、今回は自己紹介がてら、私が「翻訳」の世界に興味を引かれたきっかけでも軽くお話ししようかと思います。
私の若かりしころ、まだ翻訳の「ほ」の字もローカライズの「ロ」の字も知らなかったころの話です。英語学習の必要に迫られていた私は、何とか楽しく英語を勉強する術はないものかと考えていました。生粋の怠け者なので、お堅い参考書などを読んでいると、すぐに強烈な睡魔に襲われてしまうんですよ…。
そこで思いついたのが、「英語版のゲームを遊んでみよう」ということでした。当時、「ローカライズ」という言葉は知りませんでしたが、日本のゲームが外国語に翻訳され、海外でも販売されている事実くらいは知っていました。ゲームを遊べる上に英語も学べちゃうなんて、まさに一石二鳥!と、まあ単純明快な発想です。
そして、秋葉原の輸入ゲームショップにて、既に所持している和ゲーの英語版を購入。最初に買ったのはゲームボーイアドバンス用『ファイナルファンタジーIV』でした。まず日本語版の方を先にプレイしてセリフやシステムメッセージをすべてエクセルファイルにメモし、次に英語版をプレイして対訳表を作る、という荒業を試みたんです。主要キャラクターのセリフのみならず、町のNPCなどもすべてです。これはさすがに骨の折れる作業で、2番目の町に進んだ辺りで挫折してしまいましたが。
それからは、とりあえず英語版を進めて、印象に残ったセリフや固有名詞のみを書き留め、後ほどその箇所の日本語原文を調べて対訳表を作るというやり方にシフトしました。それだけでも膨大な量になりましたけどね。アクションなど、テキスト量の少ないゲームも含まれますが、この作業を何と10本以上ものタイトルで敢行しました。
これらの対訳表はもともと英語学習のために作ったものですが、翻訳においても役立つので、今でも時々見返したりしています。英語表現を学べるだけでなく、テレビゲームのキャラクターに合った(日本語の)セリフ回しの参考資料にもなるので重宝していますよ。
自分がゲームの翻訳に興味を抱いたのは、この時に、日本語と英語を読み比べることに楽しさを見出したからだと思います。ゲーム翻訳の世界は割と自由度が高めなので、面白い意訳なんかもあったりして、「うまい訳だな~」とか、「こういう仕事も面白そうだな~」とか考えたりしていましたね。おそらくですが、もっと真っ当な方法で勉強していたら、今ごろ全く別の業界に身を置いていたのではないでしょうか。
ちなみに、私の字幕翻訳の師匠の一人は、映画館に何度も足を運び同じ洋画を繰り返し見ては、聞こえてくるセリフと字幕をメモしながら翻訳の学習をしたそうです。やはり、何らかの作品の原文と訳文を突き合わせてみるという作業が、翻訳学習の第一歩になるのかもしれませんね。野球で言う「素振り」のようなものでしょうか。私の場合、別の目的でバットを振っていたわけですが、いい経験になったと思います。
このブログをご覧の翻訳者もしくは翻訳学習者の皆さんは、どんなきっかけで翻訳の世界に興味を持ちましたか?
では、ごきげんよう。